Architect and creator コラム「快適住宅のすゝめ」

リノベーションで実現する住まいへの想いの継承


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想いを『継承』するリノベーションという選択

リノベーションとは、リフォームのように新築レベルの状態に直すのではなく、古い住宅を現代のライフスタイルに合わせたり、使いにくい箇所を革新的に使いやすくしたりするなど、その家の機能・価値を向上させるための改修です。近年では『想いを継承するリノベーション』が注目を集めており、住み慣れたわが家の良いところを活かし、さらに住みやすい家に生まれ変わらせることを目指します。ご両親が住んでいた家を想い出と共に自分たちのライフスタイルに合った住まいへリノベーションする方も増えてきています。

リノベーションを検討するきっかけはさまざま

ほとんどの場合、リフォームを検討する理由は明確で、例えば浴槽やトイレが壊れた、もしくは古くなったので交換する、キッチンやダイニングのフロアが汚れて汚くなったので張り替えるといった形で必要に迫られて行います。

これに対してリノベーションは、必ずしも古くなったから、汚れてしまったからといった必要に迫られた理由で行うわけではありません。そのためリノベーションを検討する理由は、お子様が生まれた、大学入学で一人暮らしを始めた、ご家族の方が病気でバリアフリー住宅にするなど、生活環境の変化もあれば、床暖房やシステムキッチンの導入などこれまでの生活からのグレードアップなど本当にさまざまです。

その中でも最近増えているのが、ご両親が住まわれていた家を引き継ぐ、もしくは二世帯で暮らすことになることをきっかけにリノベーションを行うケースです。

想いや記憶を大切にし、素敵な既存パーツを蘇らせる

想いや記憶を大切にし、素敵な既存パーツを蘇らせる

ご両親が住まわれていた家を引き継ぐのに、リフォームではなく、リノベーションをおすすめする大きな理由は、ご両親の想いや記憶をできる限りなくすことなく、それでいて自分たちにとっても快適で住みやすい環境を作り出すためです。これは単なるリノベーションではなく、ご両親の想いや記憶を引き継ぐといった意味から「継承リノベーション」とも呼ばれています。

ご両親が食事で使っていたテーブルの天板を使って対面キッチンのカウンターを作る。天井裏に隠れていた梁や柱をむき出しにして、開放感ある吹き抜けに使用するなど、既存のパーツをうまく工夫することで蘇らせ、新たな命を吹き込むことで、ご両親の想いや記憶を代々受け継いでいけるようになります。

新旧の両方の良さが兼ね揃ったオンリーワンの家

「継承リノベーション」はリフォームや建て替えといった形では、実現できないご両親やご家族との「絆」を自分たちそして子供たちへとつないでいくことを可能にします。

従来の生活で使いづらかった箇所を使いやすい形に変えていきつつも、古い家の良いところやこだわりといった部分は積極的に新しい家に反映させていくことで、新旧両方の良さを兼ね合わせたほかにはないオンリーワンの家を手に入れることができます。

「継承リノベーション」で重要なことは、設計の段階で建築家と納得のいくまで話し合いを重ねることです。自分たちの想いはもちろん、ご両親との思い出や記憶も伝えること。そしてそうした想いをしっかりと受け止めてくれる建築家を選ぶことが「継承リノベーション」成功のポイントです。