コラム
2021/04/09
ウイルス対策だけじゃない!換気の重要性
季節もすっかり春らしく暖かくなってまいりました。
暖房を入れることが減り、窓を開ける機会が増えたのではないでしょうか?かく言う私も、四月に入ってからよく窓を開けるようになりました。昨年からの感染症対策として、寒い中でも窓を開けて換気を心がけられた方もいらっしゃるかもしれません。最近は換気システムを売りにした住宅メーカーのCMもみかけますよね。
実は、感染症対策以前から、24時間換気が法律で義務付けられていたことをご存じでしたか?
そこで今回は、そもそも換気は重要だった!というお話をしていきたいと思います。
換気の目的
皆様は、換気がそもそも何のために必要かご存じですか?
通常、建物の内部では、中にいる人間や建材や家具などから様々な有害物質が発散されています。ウイルスだけでなく、呼吸による二酸化炭素、家具などから出るハウスダストなども有害物質に当てはまるのです。
今皆さんが過ごしている一軒家やマンションなどは、4、50年前と比べて隙間が少なく密閉度が高い、つまり気密性が高い家になっています。気密性が上がった状態だと、中の空気が外に出ないため、様々な有害物質が家の中に溜まり続けてしまいます。
その有害物質の濃度を低くする(外に逃がす)ことが、換気の目的です。
24時間換気
感染症が世界的に大流行する前から、日本の法律では24時間換気が義務付けられていました。24時間換気とは、文字通り24時間365日換気扇を回し続けて“計画的に”屋内の空気を換気することです。ではなぜ、この24時間換気が法律で義務付けられたのでしょうか?
そのきっかけとなったのが社会問題にまでなった「シックハウス症候群」です。当時の建築材料からホルムアルデヒドという物質が多く発散され、めまいや頭痛、吐き気といった体調不良を訴える例が多く報告されました。その症状を総称し「シックハウス症候群」と呼びます。この問題の解決のため、2000年にはホルムアルデヒドを発散する材料の使用が制限され、更に2003年には住宅における24時間換気が義務化されました。
きれいな空気で暮らそう
一日に摂取する食べ物や飲み物の量は2,3㎏です。対して、体に取り込まれる空気の量は、実は20㎏もあります。量がなかなか想像しづらいかもしれませんが、体積にすると25mプールが2杯分にもなる量です。
誰しも飲み物には気を使っていると思います。例えば日本であれば、雨水をそのまま飲まれる方はあまりいらっしゃらないと思います。一日2,3㎏の飲み水に気を使っていても、その10倍も摂取している空気に気を使っていなければ、元も子もありません。
そうならないためにも換気というのは重要です。
空気に気を遣うのであればまずは、家の中ですよね。
家にいる時間の全国平均を取ると15時間にもなります。室内の換気がしっかりされていなければ、汚れた空気を15時間も吸い続けることになるということです。室内に人がいるだけで、呼吸によって二酸化炭素はどんどん増えていきます。二酸化炭素の濃度が1,000ppmを超えると、人体に眠気や倦怠感などの影響が出てくるということが、WHOでも認められています。
溜まっていく二酸化炭素の濃度が1000ppmという値を超えないように、2時間に1回家の中の空気が全て入れ替わることが24時間換気の基準に設定されています。人が多いとそれだけ換気量も多く必要になってくるので、人が集まる際は、よりこまめに換気を行う必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
空気に一定量含まれ、普段は健康に影響しない二酸化炭素でも、換気ができず濃度が上がると身体に悪い影響を及ぼします。ウイルスやホルムアルデヒドも、通常生活する中でゼロにすることはできませんが、換気をすることで害にならない程度に量を減らすことはできます。
家づくりの際にはご家族が安心できるように、しっかりと換気にも気を付けていきたいですね.
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