コラム
2021/11/18
ハーフガレージという選択 #建築士の家づくりのシナリオ
朝起きると、冷たい空気と布団のぬくもりが心地よい季節となりました。皆さんは、いかがお過ごしですか?
皆様は、朝リビングでコーヒーを飲みながら、どんな景色を眺めますか?
朝すぐに、テレビやスマホをすぐに見る方は、多いことだと思います。しかし、時間のない朝だからこそ、一つでも心安らぐ眺めを手に入れてみるのも悪くないかもしれません。
さて今回は、 #家づくりのシナリオ 特別編集をお届けします。普段、家づくりのシナリオは、ロジックオーナー様にお話をお伺いします。しかし今回は、特別編集として、あるお住まいを設計した建築士に空間づくりのお話を伺いました。
建築士 平野
「時間にも心にも余裕をもって、いつでも落ち着いて過ごしていたいです。」と語る彼女。新卒入社から4年、すでに多くの設計を手掛け、辣腕を振るう姿は、設計力に自信を持つロジックを牽引する建築家そのものです。彼女のゆったりとした空気感は心地よく、設計の中にも、そうしたゆとりが感じ取れます。
重合の家
重合のご家族
<p>不思議な繋がりから、設計を担当することとなった「重合の家」。このご家族の打合せの途中で第一子の誕生を迎えられたという。
「本当に穏やかなご家族で、打合せ中も毎回優しい雰囲気に包まれていて、ものすごく幸せで貴重な時間を過ごしました。」とその時の、様子を語ります。
ご家族からのご要望は、土地の広さとしては難しい「ガレージがほしい」というものでした。さらに、土地は、住宅街のど真ん中。そのためどうプライバシーを保つかという問題もありました。
建築士の解
スペースとして、完全なガレージを用意することは、やはり難しい土地でした。しかし建築士は、数多くの選択肢から要望を叶えるすべを導きだします。お客様の「ガレージが欲しい」以外にも、希望を叶える方法があるはずです。建築士は、お客様から本当の希望を叶えるための最適な答えを紐解いていきます。
今回、平野が提案したのは、ハーフガレージ。
車を守りたいという理由ではなく、雨の日に濡れずに玄関まで行きたいというのが、ご家族の思いでした。車全部は覆わないが、乗り降りする座席部分は雨からきちんと守れるようなガレージをご提案したことで、雨の日でも濡れずにお家の中へ入れる動線を実現しました。

さらにもう一つ、プライベートをいかに確保するかという問題。
これには、平野が提案した設計コンセプトが、まさにその答えでした。
リビングから見るライトコートには、風に揺れる植栽や、沈んでいく綺麗な夕日がライトコートの壁に落ちていく様子が映り、2階のスタディースペースから見る吹抜け越しの窓からは遠くに山が望めて、住宅街の中でも自然が感じられるとても情緒ある場所になっています。